演劇・音楽・古典…「シアターユニット・サラ」を主宰する劇作家、実村文のサイトです。

<真夜中の突撃 2008.3.6>


 今日は、学校の近くの「フリードハイム」に、夕べのミサの聖歌隊をしに行きました。フリードハイムというのは養老院のことらしく、さらにここは修道院付属のもののようでした。シュベスター(シスター)たちが連れだって聖堂にやってきましたが、働いている方と入居している方の区別がつきません(笑)。教会人口の高齢化は、ドイツでさえも深刻な問題になっているそうで、だからなおのこと、若い(例外も混じっておりますが(笑))学生たちが来て歌うというので、神父さまをはじめ皆さんたいそう喜んでくださったようです。
 手入れのゆきとどいたきれいなホームで、愛らしいマリア様のステンドグラスのある聖堂でした。しかも今夜は、いつものミサ歌集に加えて、上級生のアレクザンダー君が作曲した讃美歌を、彼自身の指揮で、私たち1年生クラスが歌ったのです。四旬節(復活祭前の瞑想の季節)の晩課にふさわしい、それは素敵な曲でした。歌詞はこういう場合、定番の讃美歌の歌詞を用いるようで、「神はかくも世界を愛された」という曲ではとくに、練習のとき、何度も涙が出そうになってしまって困りました。神はかくも世界を愛された/ひとり子をわれらに与えたもうほどに/われらが道に迷わぬように…。
 4月下旬と5月初旬には、私たち学生聖歌隊はなんと大聖堂でコンサートをすることになっていて、そのときには別の上級生のヨハネス君の曲も歌います。それもまた素晴らしく美しい曲です。私は、若い彼らがいとおしくて、幸あれ、と思うのと、私自身は日本へ帰ったらこういう合唱はもうできないんだと思うのとで泣けてしまうのです。でも、まだ1年あるのだし、いまの機会を本当に大切にしたいと思っています。