沈める町


「この町も、沈んでいるんです。誰も気づいていないだけなんだ。
きっと、誰も空を見上げないからですよ」

新宿二丁目で荒稼ぎするレントボーイ(男娼)のタカを、
心理カウンセラーのユウキが訪ねてくる。
ユウキは失踪したクライアントのサラリーマン、ゲンの行方を探していて、
かつてゲンに買われたことのあるタカに情報を求めたのだが、
タカは挑発と嘲笑をくりかえすばかりで、なかなか心を開こうとしない。
一方、ゲンの妻のハツは、生活のために始めた清掃のアルバイトで、
物静かで優しい青年リキと出会う。
ハツにはリキが心の支えになっていくが、それを知ったユウキは驚き、
リキをハツに会わせまいとする。
タカはリキの自称「同居人」だった。それどころか、
一見正反対の性格のこの二人には、さらに深い秘密があったのだ。

心の中に住む、他人。
〈本当の自分〉が見えないまま、それでも人は、人を愛する――。
樋口一葉の名作『にごりえ』を21世紀の新宿二丁目に置き換え、
北フランスに伝わる海に沈んだ幻の都市イスの伝説と交錯させた、
サイコサスペンス・ファンタジー。

2009年9月11日(金)-15日(火)
於:サンモールスタジオ(東京(新宿))

脚本・演出 実村文
出演 壱岐照美、宮﨑稲穂、高義治、川上英四郎
音楽 佐藤圭一
照明 清水義幸
衣装 有島由生
舞台美術 江連亜花里
舞台監督 大野淳一郎
宣伝美術 宮崎明美

<上演台本の決定版>

以下のサイトに掲載してあります。(未村明名義、チャットノベル形式)
『沈める町』
上演ご希望の際はサラまでご連絡ください。 ⇒unitsala@gmail.com

※『新鋭劇作集 19巻』(日本劇団協議会、2007年)には、文化庁舞台芸術創作奨励賞の佳作を受賞したときの版が収録されています。ここに載せたのは、それを改訂した上演台本の決定版です。
◆紙の本でも販売中! ご注文はこちらへ⇒unitsala@gmail.com

(photos by コスガデスガ)
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