演劇・音楽・古典…「シアターユニット・サラ」を主宰する劇作家、実村文のサイトです。

<真夜中の突撃 2009.3.6>


 今日は、授業の最終日で、午後7時からピアノの発表会がありました。私の先生の門下生のうち9人が弾き、聴いているのは本人たちと譜めくりの子たちだけという、ごく内輪の発表会でしたが、なんと学校のコンサートホール貸し切りで、堂々たるシュタインウェイでございました(笑)。

 私はずうずうしくも、ドビュッシーの「沈める寺」を弾いてしまいました。例によって、難しいところは奇跡的にクリアし、なんでもないところでトチるという、私らしい出来栄えでしたが(笑)、私がプログラムの最後で、よいしめくくりになったと先生も喜んでくださいました。

 レーゲンスブルクは、海こそないですが、このところ春の雨で、ドナウが増水しています。その激しい川音と、大聖堂の鐘の音につつまれて橋を渡りながら、この響きもあと少しで、当分聞けなくなるのだなと思いました。

 私の「沈める町」での2年間が、終わろうとしています。

 もうすぐ、もう一つの「沈める町」、東京へ帰ります。ドイツの人たちは別れを惜しんでくれ、東京の人たちは早く帰っておいでとメールをくれます。何よりの幸せです。